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9月14日土曜日(出発前の準備)
何といっても最終目的はアマチュア無線運用になる。出発に先立ち無線チームリーダーの田中さんの事務所に集合した有志はさっそくお向かいの公園に機材を持ち込んであれやこれやと実験をかさねた。ネジ1本でも足りなければ現地で調達が難しいからだ。
通行人からみるとどう見ても異様な光景だがメンバーはごきげん!これでいけるぞ・・納得の事前仕込みも完了した。さあこれで何とかなりそうだ。成田便も無事確保できたこともあり、事故無く飛び立とう・・・。
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9月19日木曜日(出発の日)
今年は昨年の2倍以上32名が参加することになった。前哨戦のチケットアクシデントはメンバーには大げさには言わなかったが薄氷を踏むような国内航空券の綱渡り劇だったから当日になって「こんなに幸運で良いのか・・」という思いが残っていた。昨年の無線局免許取得や今回の旅の事前トラブル回避など確かに運がいいという実感がある。
空路は伊丹から日本航空便で成田へ、そして昨年同様スリランカ航空を利用してコロンボに向かうことになった。ニュースではスリランカ政府とLTTEとの和平会議が進みつつあるという情報があり幸先の良い旅になるよう祈った。
32名を紹介しよう・・私と家内、宮本さん夫妻,小永井さん夫妻、武市さん夫妻、白原さん夫妻、大村さん夫妻、海老原さん、安孫子さん、田中透さん、田中将夫さん、岩崎さん、西川さん、中浴さん、野添さん、大串さん、下釜さん、山田さん、宮川さん、山村さん、谷川さん、柳本さん、尾崎さん、川口さん、近藤さん、野村さんそしていつも秘書役を勤めてくれる阪本さんの32名だ。朝わが社のスタッフに伊丹まで送ってもらった。約1時間の飛行時間で9時40分成田に到着した。12時半の搭乗まで自由時間だが思い思いに過ごしあまり待たされた感じはしない。
乗ってしまえば天国の飛行機内・・・と言いたいが、昨年と比べほとんど満員に近い状態で寝転んだままコロンボまで飛んだ事など嘘のような盛況ぶりだ。
スリランカ航空に一番がっかりしたのは今年からコロンボを素通りしてモルジブのマーレ空港に先に行くことになっていたことだ。要するに上得意の客を先に降ろし車庫に入るついでに我々をコロンボに運ぶと言う訳だ。
ナビにはコロンボを跳び越しそのままモルジブに向かう我々の機影が映し出している。我が家を通り越し先に客を送り届けるみたいな感じだ。
無事にマーレ空港についたものの降りた客に代わって乗り込んできたのは清掃員で、我々がいるのもお構いなしで掃除機をかけ始めた。そしてその後びっくりするくらいどっと客が乗り込んできた。その間ほこりを胸いっぱい吸わされたわけで、このセンスと思いやりの無いスリランカ航空の劣悪な対応に実に不愉快な思いをした。
眠い目をこすりながら3時間のロスを生じさせたあげく「ほこり」を吸わねばならない深夜のこの時間はどう形容すればいいのか・・。なぜ我々を降ろして掃除しないのか・これがスリランカ航空との決別の最大の理由だ。前年の搭乗率4割から100%になるとここまで傲慢になれるか!
9月にスリランカでクリケットの国際試合があるらしく観光会社はかき入れ時のようだ。午前0時ようやくマーレを飛び立ち、また暗黒のインド洋を引き返しコロンボを目指した。何という無駄な時間だろう。1時半後にやっとのことでコロンボに着いた。といってもこれは日本時間のことでスリランカの現地時間は夜10時半である。
今年は驚くほど簡単に空港を出ることが出来た。空港には事前に22人の無線免許が届いていた。空港ロビーでレイをかけてもらい歓迎セレモニー後バスに乗り込んだ。これからダンブッラに近いカルチャークラブというリゾートホテルに向かう。およそ5時間近い深夜の旅になる。
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9月20日金曜日その1
深夜のバスは爆走して北の町を目指したがほとんどのメンバーは睡魔には勝てないようだ。静かな車内と外の闇が妙にマッチしている。カルチャークラブに着いたのは3時半を過ぎたころだったろうか。
このホテルはヨーロッパ人に人気のリゾート地で周りには湖があるが、それ以外に何も無い。もちろん飲み屋もクラブもカラオケもない。すべて平屋のコテージ造りで広大な敷地は自分の部屋に行くにも夜になるとどこが部屋なのかわからないくらいだ。
ここの売り物にエコロジールームというのがあり、人工のものはまったく使っていないという部屋が十数部屋ある。これが人気でしかも割高だがあらかじめほとんどの部屋を予約しておいた。部屋を作っている素材はすべて自然のもので屋根は茅葺き風のバナナの葉を乾燥した?ような草木で包まれ、床は牛の糞を塗りこんで固めたものでプラスチックなどまったく無い。エアコンも無く自然の風が頼りで蚊とも仲良しでなくてはならない。しかも部屋代は通常より高い。
みんなに喜ばれると用意したが翌日になって一人を除いてすべてエアコンのある部屋に変えるよう申し出を受けた。センスの無い日本人め・・と思いながら、翌日私もエアコンのあるルームに変えてもらった。俺たちはフランス人じゃないんだ・・・
さあ。起床は10時だ・・それまで眠るぞ!エコロジールーム最初で最後の一泊だった。
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9月20日金曜日その2
深夜に着いてそのまま5時間のバスの旅は、それなりの理由があったがその後の反省会では不評だった。しかもホテルに到着後休憩より先にすぐさま誕生祝いがあった・・。これも考えてみると我々客のためではなく、世話人の家族を祝うものでメンバーに奇異な感じを与えてしまった。こんなことがあるとは事前に聞いていなかったが、みんなも意識朦朧だったろう。とにかく疲れているので一刻も早く眠りにつきたいというのがメンバー共通した思いだった。
さて遅めの朝食をとり、きょうはダンブッラの石窟に挑戦する日だ。私は2回目だが初めてのメンバーには新鮮な観光地だったようだ。無線チームは眠りよりもアンテナ作りとばかり作業に入っている。
カルチャークラブの朝は実に快適だ。湖があり落ち着いたたたずまいは、やはりリラックスした雰囲気をかもし出している。朝食後、出発前に全員で記念撮影をした。アイコムTシャツがお馴染みになった。
ダンブッラの洞窟寺院はスリランカにある7つの世界遺産の一つだ。涅槃像や壁画など多くの見所があり、サルの歓迎も面白い。
寺院の境内には蛇使いや物売りが多く居る。町を歩くと子どもたちとも友達になれる。
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9月20日金曜日その3
ホテルに戻ると女性群はサリーの特設販売所に出向き、思い思いの美しい生地を手に入れご機嫌のようだった。
そしてかの有名なアーユルベーダの初体験をすることになる。インドとは少し違った何でも200種類くらいの薬草マッサージを施し、とにかく好奇心旺盛のメンバーは興味津々だが、価格は3000ルピーで4000円くらい・・現地では高級医療マッサージである。
カルチャークラブは滞在型の大変落ち着くホテルだが、近所に何も無く観光好きの日本人には物足りなさを感じさせるかもしれない。しかし休暇をのんびりと過ごすにはこれ以上の環境はありえないお勧めのホテルだ。
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9月21日土曜日その1
6時にモーニングコールがセットされた。いよいよ世界8不思議のシーギリアに向う。私には2度目の経験だが始めてのメンバーにはどんな景色に映るだろうか。
ロックの下で大蛇のマフラーに挑戦する我が女性メンバーに蛇嫌いのメンバーは渋い顔だ。
そして午後からろうけつ染めの工場などを見学してサファリパークへ向った。その前に象の背に乗って遊覧となった。
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9月21日土曜日その2
急いで帰らねば今夜の観光大臣とのパーティーに間に合わない。今回の旅は外務省南西アジア課とスリランカ大使館の後援を得たため観光大臣がわざわざ我々のホテルに来てくれた。
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9月22日日曜日
早起きしてバードウオチングに参加した。無線チームは部屋にこもりきりで無線三昧だが、夜は9月生まれの誕生会を開くことになった。
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9月23日月曜日
キャンディの仏歯寺を見学しながら紅茶の産地ヌワラエリアに向った。
そしてヌワラエリア事件の始まりだ。これは我々がまんまと利用された最低の出来事だった。知らない間に我々が宇治市からの訪問団であるとすり替えられ大げさなレセプションに巻き込まれた。ヌワラエリアと宇治市はお茶が取り持つ縁で姉妹都市になっている。我々の中には宇治の住民は誰も居ない。つまり宇治市民を連れてこなくては困るスリランカ人が自分の立場を作るために仕組んだまさに茶番劇だ。しかもその茶は、どす黒い色をしていた・・・
歴代の市長が来て市会議員が現れ新聞社がきて、レセプションのスピーチでは公園が欲しい、コンピュータが欲しい、救急車が欲しい・・・いったい誰がこんなことを仕組んだのか。
犯人はいつも登場する同じお騒がせ人物だったが、迷惑を別にするとこれが意外と面白かったというメンバーも居てこのツアーの寛容さを象徴するような出来事だった。
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9月24日火曜日
昨晩の事件は、事前に私が知っていたのではないかと疑われたが、当事者であるスリランカ人の侘びもありしかも今更旅を中断することも出来なかった。
市長にも誤解が無いように説明したところ記念植樹だけでもして欲しいというのでこれまたお人よしを自認しながら私たち3人は市長と記念植樹に出かけた。他のメンバーは紅茶工場の見学に行った。
そして最後の町ベントタに向けてバスは走り出した。TAJ EXOTICIAという最高級に入る海辺のホテルが最後の夜を飾ることになった。
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9月25日水曜日
午前9時ベントタを出発。海沿いを一路コロンボに向けてバスが走り始めた。昼食は昨年もいった中華料理店「錦城」だ。
そして首都スリジャヤワルダナプラコッテの国会議事堂などを見学した。さあいよいよ帰国の日だがいつものように深夜のフライトになる。
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9月26日木曜日
お蔭様で無事帰国することができた。スリランカはなぜ色々なことが起こるのか・・・そのメカニズムはその後の旅で一つ一つ解き明かされてきている。
にもかかわらずまたスリランカに行こうとするのは、もう酒は止めるといいながらしばらくすると飲み始めるのに似ているかもしれない・・・
スリランカは理性で納得する国ではないんだ・・理屈とおりに話が進む国ならもっと快適で進歩していたはずだから!!解き明かされないなぞの歴史を持っている国だ。
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