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 我が家には、1999年春先生まれのオス猫がいます。
 息子の友人で大のネコ好きの若者がいました。
 
 その友人が神戸を引き揚げ九州に帰る際、生まれたばかりの5匹の子猫を全部連れて帰れないので1匹だけでいいから引き取ってもらえないか?という申し出が発端でした。
 その友人はワンルームマンションにネコ数匹と同居していたそうですから相当なネコ好きといえます。

 正直なところ私と猫の相性は必ずしもよくありません。ユーモアを解さない気まぐれな性格のネコはどうしても私になつかないのです。
 以前に飼っていたネコは、私の車のエンジン音が聞こえただけで、慌ててリビングから2階に避難する・・とにかく恩知らずのネコでした。
 
 これを毎日繰り返すのですから可愛いわけがありません。私とは目を合わさないのです・・・
 家族はいじめるから逃げると言うのですが、いじめるも何もそばに寄ってこないのですからいじめようが無いのです。
 
 そ こんな経緯もありネコ嫌いの私に遠慮してか息子は恐る恐る家内にネコの話を持ちかけたようです。
 家内が出した条件はオスであることだったようですが、知らぬ間にこの交渉はまとまり、5匹の中に1匹だけいたオスのクロネコが貰われて来ました。
 
 それ以来とにかく世話のかかる家族の一員になりましたが、真っ黒なボディに首、胸、腹の一部が白く「月ノ輪ネコ」のようで面白いキャラの持ち主です。
 
 我が家に来たときはやせ細ってやたら頭と目玉がギョロつき、しかも大量のノミを体中につけて我が家の住人になったわけでしばらくはノミとの戦いでした。
  私もスキ櫛を片手にノミ退治に挑戦し、採ったノミをセロハンテープに貼り付けて遊びました。
 部屋にあった顕微鏡でみるとノミの顔も意外と面白く、時々ネコから飛び出したノミを追いかけるのも結構楽しいものでした。
 乱獲のせいかそのうちノミの姿など見なくなりちょっと寂しい感じがします。

 ノミハントはそれなりに難しく、第一目が良くなくてはつとまりません。そして運動神経が必要です、老化防止には格好の刺激かもしれません。
 すっかりお座敷ネコとなり清潔にしてもそこはネコのことですから時々隙を見ては外に飛び出します。
 お腹がすくまで遊び回るのですが、外から帰ってくると必ず数匹のノミをつれて帰ってくるのですからその日はまた忙しいのです。
 
 我が家のネコは、お世辞にも美男ではなく、どちらかというと不細工な顔のツクリです。顔だけをみると強面で強そうに見えますがかなりの臆病者で、玄関のチャイムが鳴ると駆け出し押入に隠れるという芸を披露します。
 しかし内弁慶なわりに気ままな時間は家中を走り回り、爪研ぎで家はすっかりボロボロになってしまいました。
 
 我が家に来た人はたった一匹の猫の仕業だと思わず、数匹を飼って居ると思わせるほどひどい状態でした。
 そもそもホームページで嫌いだといいながらネコの写真を出すこと自体お笑いです。
 その後住み慣れた環境からマンション住まいになった時はこの環境変化に対応できるか正直案じたものでした。でもここまでくれば家族のような感じになります。
 とにかくこれまでの比較的広かった家から、隠れ場がなくなったマンション住まいになったのですから今までと違い余計に顔を合わす機会が多くなってしまいました。 

 そんな訳でネコも無愛想では今後の付き合い影響すると思ったのか少し私に媚びを売ることを覚えたようです。
 引っ越し当初はおどおどしてしばらく泣き続けていましたが最近はすっかりこの住処にもなれたようです・・・・ 

前置きが長くなりました・・・あっ、そうそうネコの名前は「くろん」です。