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くろんのライバル |
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くろんの住まいはマンションの8階です。
もちろん私と同居です。
眼下は明石海峡の海ですが、手すり越しに下界を覗かせると身をよじって逃れようとします。高度恐怖症の猫は珍しいと思うくらい実に恐がり屋です・・・
この細い手すりの上を歩く猫がいます・・・。落ちれば間違いなくお陀仏ですが、そんなイケイケの飼い猫もこのマンションにいます。
暇を持て余していたくろんに強敵があらわれました。お隣に若いオス猫がやってきました。
なんでも娘さんがカナダから連れて帰ったと聞いていますが、飼い主は猫を実家に預けまた再び海外に・・・・
住まいの玄関はそれぞれ別の向きになって、人間同士は直接顔を合わさない構造ですが、ベランダは海に面し壁一枚でつながっています。
この壁越しに猫同士が縄張りを主張し争うのです。
お隣はくろんと違い毛並みの良い可愛い顔の猫ですが、結構威勢の良い猫です。
その為これまで平穏な毎日を過ごしてきた我が家のくろんが俄然目覚め、つられて威勢がよくなりました。
寒いベランダに出て、まるで私たち家族を守っているように、隙間から監視をしています。
ひとたび相手の影が見えるとわずか数センチにの隙間が合戦の舞台にかわります。
相手がわずかな隙間から手が出すと、突然ひびきわたる威嚇の声がでます。
なんと下品な声でしょうか・・・
相手は右手、くろんは左手で応戦しますが勝敗は互角・・・いや敗北でしょう。
私も、ご挨拶に手を出したら見事な爪でひっかかれました。
その点、くろんはコマ目に爪切りをしているので武器が無いのと等しく圧倒的に不利です。
相手は若者、くろんはすでの老猫・・・よきライバルの出現に見えますがついにくろんの本音が聞こえます・・・・・・
「若いもんに、まだ負けたないけど・・・・アカンわ!!」
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